交響曲

クラシック音楽のなかでも抜群の知名度を誇る「交響曲」。

交響曲とは、管楽器や弦楽器などの楽器のみで演奏される器楽曲の1種「管弦楽」に分類されるクラシック音楽のことです。

交響曲は、クラシック音楽のコンサートのなかで、もっとも演奏機会の多いジャンルの音楽のため、いまではクラシック音楽の代名詞となっています。

 

交響曲の特徴

 

交響曲とは、管弦楽器や打楽器の編成による管弦楽団「オーケストラ」によって演奏される多楽章からなる大規模な楽曲のことです。

交響曲という言葉は「舞姫」や「雁」で有名な作家・森鴎外が考案した訳語であるため、海外では通じない言葉となっています。

交響曲の正式名称は「シンフォニー」または「シンフォニア」であり、国によって若干のスペルの違いや読み方の差異はあるものの、ほぼ「シンフォニー」という言葉で通じます。

 

交響曲は、バロック時代のイタリアにて、オペラの序曲を前身とする音楽であり、18世紀前半にウィーン古典派三巨匠のひとりF.J.ハイドンによって、

 

・原則、ソナタ同様、「急‐緩‐メヌエット (またはスケルツォ)‐急」の4つ程度の楽章によって構成すること

 

・4楽章のうち、少なくとも1つの楽章はソナタ形式であること

 

と新たに形式が定義されました。


F.J.ハイドンによって新たに定義された交響曲は、その後、モーツァルト、ベートーベンへと受け継がれ、18世紀から19世紀でもっとも重要な音楽の曲種へと発展しました。

 

代表的な交響曲

 

ベートーベン 交響曲第5番「運命」

 

ドイツの作曲家 ベートーベンの代表作品「交響曲第5番・運命」は、誰もが1度は耳にしたことのある世界三大交響曲のひとつです。

指揮者の合図と共に、ホール内に響き渡る“ダダダダーン”という音色に度肝を抜かれた方も多いのではないでしょうか。

じつは、この交響曲の正式名称は「交響曲第5番ハ短調 (作品67番)」なのですが、ベートーベンの弟子が『冒頭の4つの音は何を示しているのですか?』とベートーベンに訊ねたところ、『運命とは、このように扉をたたくのだ』と答えたことから、「運命交響曲」と呼ばれるようになったそうです。

形式美の面において、ひと際高い評価を得ている「交響曲第5番・運命」は、まさに正統派の交響曲といえるでしょう。

 

F.J.ハイドン 交響曲第44番「悲しみ」

 

“交響曲の父”と呼ばれているオーストリアの作曲家 F.J.ハイドンは、生前104曲もの交響曲を作成しました。

彼が作曲した数ある交響曲の中から、今回は交響曲第44番「悲しみ」をご紹介します。この作品は、まさに疾風怒濤の展開が繰り広げられるクラシック音楽であり、まるで人間の感情のように楽章ごとに音楽がコロコロと変化するのが魅力となっています。

何度聞いても聞き飽きしない交響曲です。

 

交響曲の魅力

 

17世紀のイタリアでオペラの序曲として演奏されていた音楽が、さまざまな音楽家たちの手によって独立を果たし、1つの音楽として確立された交響曲
。いまでは、ほとんどの作曲家たちの創作の中心となっており、クラシック音楽のなかで、最も規模が大きく、厳格な形式へと成長しました。

今後のクラシック界を担う作曲家たちは、交響曲の定義を守りながら、自分自身の個性をより際立たせるため、色彩の対比や変化、クライマックスの演出などにこだわり、素晴らしい作品を世に送り出しています。

ぜひこの機会に交響曲に触れ、クラシック音楽の素晴らしさを肌で感じてみませんか。

 

 

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